前回(前回の記事はこちら)では、ゲームプランナーという職業が「きつい」と言われる理由として、スケジュールの厳しさや自分で増やせてしまう仕事量についてお話ししました。
今回はそれに加えて、人間関係の問題にフォーカスして深掘りしていきます。
ゲーム業界に限らずどの職場にも存在する「上司・部下・同僚との関係性」が、ゲームプランナーにどれだけ影響を与えるのか。そのリアルをお伝えします。
ゲームプランナーが「きつい」と感じる本当の理由
武器は、時に味方をも傷つける
人の言葉や判断は、強い武器にもなります。しかしそれは、味方すら背後から撃つこともあるという、怖さを持っています。
私自身、10年以上ゲーム会社で働き、数々のプロジェクトに関わってきました。
その中には「最高のチーム」もあれば、「居心地の悪さで早く終わってほしい」と願ったようなプロジェクトもありました。
この「人間関係」は、どんなに会社自体がホワイトでも、避けられない現実です。
上司との関係がすべてを左右する

私の場合、プロデューサーやディレクターといった「上司」に恵まれていたと感じています。
必要な時にはしっかり叱ってくれ、普段はのびのびと仕事をさせてくれる人が多く、ストレスも少なかったです。
でも、すべての上司がそうとは限らない
実際、周囲にはこんな上司もいました。
- すぐに説教を始め、1時間以上拘束する
- 自分のミスには甘いのに、他人のミスには異様に厳しい
- 部下に無理難題をふり、逃げ道を作らない
中には精神的に追い込まれ、誰にも相談できずフェードアウトしてしまった人もいました。
部下との関係は「信頼」で変わる

基本的には、部下との関係は良好でした。
仕事が追いついていない部下には、こちらからサポートしながら根気よく育てていく。これがゲームプランナーとしての責任でもあります。
ただし、こんなケースもありました。
- 派遣社員が何度も遅刻・無断欠勤 → 契約満了で終了
部下との関係は比較的コントロールしやすいですが、信頼関係が築けないと、逆にこちらが疲弊することもあります。
同僚やリーダーとの関係はブレ幅が大きい

同じようなキャリアや年齢層の同僚・リーダーとの関係は、とても「個人差」が大きいです。
- 個性が強すぎて調整が難しい
- 意見の食い違いでプロジェクトが止まる
- チーム内で主導権争いが発生する
一緒に仕事をする上で、少し上の立場の人間に注意が必要です。
彼らが自分に直接影響を与えるポジションにいる場合、関係性次第で仕事のやりやすさがガラリと変わります。
「この人は味方だ」と思ったら絶対に離さない

良いメンバーに出会えたら、それは財産です。
長年の戦友のような存在は、プロジェクトの成否を分ける力になります。
ただし、「なあなあ」になってはいけません。
別チームに異動してしまったときに、「あの時の情報どこにあったっけ?」と困らないよう、常にメモを取り、情報を整理する習慣をつけておくことが重要です。
嫌な人に当たったらどうする?

「会社は好きだけど、この人と仕事するのは無理」というケース、意外と多いです。
- 上司に相談する
- 信頼できる人事に異動希望を出す
これで改善できない場合は、転職も視野に入れるべきです。
我慢は美徳ではない
「他人に言われて我慢しているだけ」なら、それは自分をすり減らす行為に過ぎません。
逃げ道を用意しておくことも、自分を守る立派な選択肢です。
人間関係こそが「きつさ」の本質かもしれない
ゲームプランナーの仕事は、スケジュールや責任の重さだけでなく、人間関係によってきつさが大きく変動します。
でも、だからこそ、良い仲間に出会えたときの喜びや一体感は、何にも代えがたい魅力でもあるのです。


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