個人向けVPNは必要?無料・有料の違いや使い道、セキュリティ対策を解説

雑記

インターネットのセキュリティ対策として、VPNという言葉を聞いたことはないでしょうか?

会社で仕事をしている人なら、社内ネットワークへ接続するときにVPNを利用した経験があるかもしれません。

しかし、個人のパソコンやスマートフォンでもVPNを利用する必要があるのでしょうか?

実は、会社で使われるVPNと、個人向けに販売されているVPNでは、主な目的が異なります。

また、個人向けVPNにも無料と有料のサービスがあり、それぞれメリットとデメリットがあります。

私自身、以前に海外のAmazonなどで日本では見つけにくい商品を探した際、無料VPNを利用したことがあります。

現在はVPNを日常的に利用していませんが、どういった場面で役立つのか、逆に必要ない場合はあるのか気になったため、改めて調べてみました。

今回は、個人向けVPNの仕組みや使い道、無料と有料の違い、セキュリティソフトとの違いについて解説します。

また、ゲーム開発の仕事で経験したセキュリティソフトの話も紹介します。

※本記事ではVPNの基本的な機能やサービスを解説します。各VPNサービスの通信速度やゲームのPing値は、筆者自身による比較測定を行っていません。

VPNとは?どんな仕組みなのか

VPNとは「Virtual Private Network(仮想プライベートネットワーク)」の略称です。

簡単にいうと、ネットワーク上に保護された通信経路を作り、通信内容を第三者から見られにくくする技術です。

一般的な個人向けVPNサービスでは、パソコンやスマートフォンからVPN事業者のサーバーへ、暗号化された通信経路を使って接続します。

その後、VPNサーバーを経由してインターネットへアクセスします。

VPNを使った場合と使わない場合の違い

通常のインターネット接続では、利用している回線を通じてWebサイトへ接続します。

一方、個人向けVPNを利用すると、途中にVPNサーバーが入ります。

接続方法通信の流れ
通常の接続パソコン → インターネット → Webサイト
VPNを利用パソコン → VPNサーバー → インターネット → Webサイト

VPNサーバーまでの通信が暗号化されるため、利用しているネットワークの管理者などから、通信内容を読み取られにくくする効果があります。

また、Webサイトから見える接続元のIPアドレスが、VPNサーバーのIPアドレスになる場合があります。

ただし、VPNを使っていれば何をしても完全に匿名になるわけではありません。

Webサイトにログインしていればアカウントから利用者が識別される可能性がありますし、Cookieなどによって利用状況が関連付けられる場合もあります。

さらに、VPN事業者自身を信頼できるかという点も重要になります。

VPNはプライバシーを守るための手段の一つですが、すべての危険を防ぐ万能な仕組みではありません。

会社で使うVPNと個人向けVPNの違い

VPNと聞いて、会社のパソコンを思い浮かべる人もいると思います。

特に、在宅勤務で会社のシステムへアクセスする場合などに、企業向けVPNが利用されることがあります。

ただし、企業向けVPNと個人向けVPNでは、目的が少し違います。

比較企業向けVPN個人向けVPN
主な用途社内ネットワークへの接続通信のプライバシー保護
接続先会社が管理するネットワークなどVPNサービス会社のサーバー
利用者従業員など一般の個人ユーザー
管理会社のIT管理者利用者本人
主な使用場面在宅勤務・社内システム利用外出先のWi-Fi・海外サイト利用など

例えば、自宅から社内のファイルサーバーへアクセスする場合、会社が指定するVPNへ接続することがあります。

一方、個人向けVPNは、普段のインターネット通信を保護したり、接続元のIPアドレスを変更したりするために利用します。

そのため、個人向けVPNを契約したからといって、会社の社内ネットワークへアクセスできるようになるわけではありません。

また、会社のパソコンでは、管理者の許可なく個人向けVPNを導入すると、社内のセキュリティ規則に違反する可能性もあります。

個人向けVPNはどんなときに役立つ?

では、個人でVPNを利用するメリットはどこにあるのでしょうか?

ここでは、具体的な利用場面を紹介します。

1.外出先のフリーWi-Fiを利用するとき

カフェやホテル、空港などで提供されているフリーWi-Fiを利用する人も多いと思います。

こうしたネットワークでは、接続先の安全性を確認することが大切です。

VPNを利用することで、端末とVPNサーバーとの間の通信を暗号化でき、利用しているネットワークから通信内容を読み取られにくくできます。

ただし、現在の多くのWebサイトはHTTPSによる暗号化に対応しているため、VPNを使わなければWebサイトの通信がすべて丸見えになるというわけではありません。

また、VPNを利用していても、偽のログイン画面にパスワードを入力してしまえば、情報が盗まれる可能性があります。

VPNだけに頼るのではなく、HTTPSの確認や二段階認証なども組み合わせることが重要です。

2.海外のWebサイトを利用するとき

個人向けVPNの特徴の一つに、接続するサーバーの国や地域を選べるサービスがあることが挙げられます。

例えば、日本から海外のVPNサーバーに接続した場合、Webサイト側には海外からアクセスしているように見えることがあります。

私自身、以前に海外のAmazonなどで、日本ではなかなか見つからない商品を探していたときに、無料VPNを利用したことがあります。

現在は使っておらず、当時どのVPNサービスを利用していたのかも覚えていませんが、海外のネットサービスを利用する際にVPNを試した経験があります。

ただし、ここで注意したいのが、海外のAmazonを見るだけなら、通常はVPNを利用する必要がないということです。

Amazonには国・地域別のサイトがあり、VPNを利用しなくても海外の商品を閲覧できる場合があります。

また、VPNで接続元を変更したとしても、日本への配送に対応していない商品を必ず購入できるわけではありません。

販売者の配送条件や購入先の利用規約、輸入に関するルールなどを確認する必要があります。

VPNを使えば海外の商品が自由に購入できる、というわけではない点には注意しましょう。

3.通信のプライバシーを高めたいとき

VPNを利用すると、インターネット接続事業者などから、通信先に関する一部の情報を見られにくくできる場合があります。

また、アクセス先のWebサイトには、VPNサーバーのIPアドレスが見えることがあります。

ただし、VPN事業者が通信に関する情報をどのように扱うのかも重要です。

VPNサービスを選ぶ場合には、価格だけでなく、プライバシーポリシーやログの取り扱いなども確認しましょう。

4.オンラインゲームで利用するとき

オンラインゲームでもVPNが利用されることがあります。

例えば、接続経路の問題が発生している場合に、VPNを経由することで通信経路が変わる可能性があります。

ただし、VPNを使えばゲームが快適になるとは限りません。

むしろ、VPNサーバーを経由することで通信距離や処理が増え、Ping値が悪化する場合もあります。

特にFPSや格闘ゲームなど、通信の遅延が操作に影響するゲームでは注意が必要です。

ゲームの接続先サーバーやVPNサーバーの位置によって結果は異なるため、実際に試して確認する必要があります。

また、オンラインゲームによってはVPNの利用に関する制限が設けられている場合もあるので、利用規約を確認しておきましょう。

ゲームをするならVPNを必ず入れた方がよい、というわけではありません。

個人向けVPNは本当に必要なのか?

ここまでVPNの用途を紹介しましたが、そもそも個人が有料VPNを契約する必要はあるのでしょうか?

結論としては、利用する環境や目的によって異なります。

例えば、自宅のインターネット回線を利用し、一般的なWebサイトを閲覧することが中心なら、有料VPNを契約する必要性はそれほど高くない場合があります。

一方で、外出先のネットワークを頻繁に利用したり、接続元IPアドレスを変更する必要があったりする場合には、VPNが役立つ可能性があります。

VPNが役立つ可能性がある人

  • 外出先のWi-Fiを頻繁に利用する人
  • 通信のプライバシーをより重視したい人
  • 海外のネットサービスを利用する機会が多い人
  • 接続元の国や地域を変更する必要がある人
  • VPNの通信経路を使って接続状況を確認したい人

VPNが必須とはいえない人

  • 自宅の信頼できる回線を中心に利用する人
  • 普通のWebサイト閲覧や動画視聴が中心の人
  • VPNを使う具体的な目的がない人
  • オンラインゲームで通信遅延をできるだけ抑えたい人

VPNを導入するかどうかは、何となく安全そうだからという理由だけでなく、自分の用途に合っているかを考えることが大切です。

無料VPNと有料VPNの違い

個人向けVPNには、無料で使えるサービスと、有料のサービスがあります。

無料VPNは気軽に試せる点がメリットですが、サービスによっては通信量や利用できるサーバーが制限されている場合があります。

一方、有料VPNは、利用できるサーバーや機能が充実しているサービスが多くあります。

比較項目無料VPN有料VPN
利用料金基本無料月額・年額など
通信量制限がある場合がある制限なしのサービスが多い
サーバーの選択肢少ない場合がある多くの国や地域から選べる場合がある
同時接続台数制限がある場合があるプランによって複数台利用できる
セキュリティ機能サービスによって異なる追加機能を備えるものもある
サポート限定的な場合がある問い合わせに対応するサービスが多い

ただし、無料VPNだから危険、有料VPNだから必ず安全というわけではありません。

運営会社が明確で、プライバシーポリシーやデータの取り扱いが確認できるサービスを選ぶことが重要です。

また、無料サービスを利用する場合は、どのような仕組みで運営費用を確保しているのかも確認しておくとよいでしょう。

無料VPNを利用するときの注意点

特に注意したいのは、運営元がよく分からない無料VPNです。

利用状況に関するデータがどのように扱われているか分からないサービスでは、かえってプライバシー上の問題が発生する可能性があります。

VPNは通信を任せるサービスなので、価格だけでなく、運営会社の信頼性や利用規約も確認しましょう。

また、無料VPNの中には通信速度やデータ使用量に制限が設けられているものもあります。

継続的に利用する場合は、有料サービスも含めて比較することをおすすめします。

VPNとセキュリティソフトの違い

VPNと混同されやすいものに、ウイルス対策ソフトやセキュリティソフトがあります。

例えば、ノートンなどのセキュリティソフトは、マルウェア対策や不審なファイルの検出などを目的としています。

一方、VPNは主に通信経路の保護や、接続元IPアドレスの変更などに使われます。

項目VPNセキュリティソフト
通信経路の暗号化主な機能製品による
接続元IPアドレスの変更可能通常は対象外
マルウェアの検出基本機能ではない主な機能
不審なファイルの検査基本機能ではない主な機能
フィッシング対策付加機能として搭載する製品もある搭載する製品がある

最近ではVPNとウイルス対策の両方を提供するサービスもありますが、それぞれの機能の役割は異なります。

ゲーム開発でノートンがコンバート速度に影響した経験

私が以前ゲーム会社で働いていた頃、会社のPCにはノートンというセキュリティソフトが導入されていました。

ゲーム開発では、制作したデータをゲームで使用できる形式へ変換する「コンバート」という処理を行うことがあります。

このコンバート処理が、セキュリティソフトの影響で非常に遅くなることがありました。

実際に、当時プログラマーから教えてもらった方法でノートンの保護機能を無効にすると、処理速度に極端な違いが出たことを覚えています。

セキュリティソフトは、不審なファイルやプログラムからPCを守るために、ファイルの読み書きなどを監視する機能を持っています。

そのため、大量のファイルを処理するゲーム開発のコンバート作業では、こうした監視処理が負荷になる可能性があります。

ただし、処理が重いほどセキュリティ性能が高いというわけではありません。

ソフトの設計や設定、パソコンの性能などによっても影響は変わります。

また、セキュリティソフトの保護機能を無効化すると危険性が高まるため、現在であれば、会社のIT管理者に相談し、必要な処理について安全性を確認したうえで対処することが重要です。

VPNとセキュリティソフトは目的が異なるため、どちらか一方を導入すれば、もう一方が必ず不要になるわけではありません。

個人向け有料VPNの候補を比較

個人向けVPNを検討する際には、通信速度だけでなく、接続できる端末数やセキュリティ機能、料金などを確認することが大切です。

ここでは、代表的な有料VPNサービスとして、SurfsharkとNordVPNを紹介します。

なお、どちらのサービスについても、筆者が実際に契約して通信速度を測定したものではありません。

公式サイトで公開されている機能をもとに、それぞれの特徴を比較しています。

Surfshark:複数の端末で利用したい人向け

Surfsharkは、個人向けのVPNサービスを提供している企業です。

特徴の一つが、1つのアカウントで同時に接続できる端末数に制限がないことです。

例えば、パソコンやスマートフォン、タブレットなど、複数の端末でVPNを利用したい場合に検討しやすいサービスです。

主な特徴は次のとおりです。

  • 接続できる端末数が無制限
  • 世界各地のVPNサーバーを利用できる
  • 通信の暗号化に対応
  • 30日間の返金保証を案内している
  • プランによってウイルス対策などの追加機能を利用できる

ただし、無料トライアル時には接続台数などの制限がある場合があります。

また、追加のウイルス対策機能が、すべてのプランに含まれているわけではありません。

料金や返金保証の条件、プランに含まれる機能については、契約前に公式サイトで確認しましょう。

Surfsharkの公式サイトで詳細を確認する

NordVPN:通信保護と追加のセキュリティ機能を重視する人向け

NordVPNも、個人向けのVPNサービスを提供している企業です。

1つの契約で最大10台の端末を同時に接続でき、パソコンやスマートフォンなどに対応しています。

また、プランによっては、マルウェア対策や広告・トラッカーのブロックなど、追加のセキュリティ機能を利用できます。

主な特徴は次のとおりです。

  • 最大10台の端末を同時接続できる
  • Windowsやスマートフォンなど幅広い端末に対応
  • 通信の暗号化に対応
  • 一部プランでマルウェア対策などの追加機能を利用できる
  • 30日間の返金保証を案内している

注意したいのは、追加のセキュリティ機能が契約するプランによって異なることです。

単にVPN機能だけを利用したいのか、追加のセキュリティ機能も利用したいのかを考えて、プランを比較するとよいでしょう。

NordVPNの公式サイトで詳細を確認する

SurfsharkとNordVPNはどちらがよい?

比較項目SurfsharkNordVPN
同時接続台数無制限(通常契約時)最大10台
通信の暗号化対応対応
追加のセキュリティ機能プランによって利用可能プランによって利用可能
返金保証30日間30日間
向いている使い方多数の端末で利用したい場合VPNと追加の保護機能を比較したい場合

※公式情報をもとにした比較です。料金・機能・契約条件は変更される場合があります。

接続する端末数を重視するならSurfshark、追加のセキュリティ機能も含めて検討するならNordVPNが候補になります。

ただし、どちらが通信速度で優れているかは、実際の利用環境で比較しなければ判断できません。

また、いずれも有料サービスなので、利用する目的が明確でない場合は、無理に契約する必要はないでしょう。

VPNを選ぶときの注意点

VPNサービスを選ぶ際には、広告に書かれた特徴だけでなく、次のような点を確認することをおすすめします。

料金と更新時の価格

VPNサービスには、月額契約や1年・2年などの長期契約があります。

長期契約は月額換算の料金が安く表示される場合がありますが、契約時にまとめて支払う必要があることもあります。

また、初回の割引価格と更新時の料金が異なる場合もあるため、更新条件を確認しましょう。

利用する端末への対応

パソコンやスマートフォンなど、自分が利用する端末に対応しているか確認しましょう。

複数台で使いたい場合には、同時接続台数も重要になります。

返金保証の条件

返金保証を提供しているサービスでも、申請方法や適用条件が決められています。

「30日間返金保証」と書かれていても、すべての購入方法や契約に同じ条件が適用されるとは限りません。

契約前に公式の条件を確認しておきましょう。

VPN事業者の信頼性

VPNを利用すると、通信がVPN事業者のサーバーを経由します。

そのため、プライバシーポリシーやログの取り扱い、運営会社なども確認することが重要です。

料金の安さだけでなく、どのような会社が運営しているのかも判断材料にしましょう。

VPNに関するよくある質問

VPNを使えばウイルス感染を防げる?

VPNの基本的な機能は、通信経路の保護です。

VPNを利用しただけで、ウイルスや不正なプログラムの感染を完全に防げるわけではありません。

製品によっては追加のセキュリティ機能がありますが、OSやソフトウェアの更新、ウイルス対策、二段階認証なども重要です。

VPNを使えば完全に匿名になる?

完全な匿名性が保証されるわけではありません。

VPNによって接続元IPアドレスを隠せる場合がありますが、ログイン情報やCookieなどで個人が識別される可能性があります。

海外サイトを見るためにVPNは必要?

通常は必要ありません。

海外のWebサイトは日本からアクセスできるものも多くあります。

ただし、サービスによっては接続元の国や地域によって表示が異なる場合があります。VPNを利用する際は、サービスの利用規約を確認しましょう。

VPNを使うとゲームのPing値は改善する?

必ず改善するわけではありません。

接続経路が変わることで改善する場合もありますが、逆に遅延が増える場合もあります。

実際の通信環境やゲームサーバーによって結果は異なります。

Windows標準のセキュリティ機能があればVPNは不要?

Windowsのセキュリティ機能とVPNは目的が異なります。

Windows標準の保護機能はマルウェア対策などを行いますが、一般的な個人向けVPNと同じ機能をすべて提供するものではありません。

ただし、VPNを使う必要がない環境であれば、無理に有料VPNを契約する必要はありません。

まとめ:個人向けVPNは目的に合わせて選ぼう

今回は、個人向けVPNの仕組みや使い道、無料・有料VPNの違い、セキュリティソフトとの違いについて紹介しました。

VPNは、通信経路を保護したり、接続元IPアドレスを変更したりする際に役立つサービスです。

一方で、自宅で普通にインターネットを利用するだけなら、有料VPNが必ず必要というわけではありません。

また、無料VPNと有料VPNでは、利用できる機能やサーバー、料金などに違いがあります。

サービスを選ぶ際には、次の点を確認しましょう。

  • VPNを利用する目的があるか
  • 無料VPNの制限で十分か
  • 複数の端末で利用したいか
  • 料金や更新時の条件に納得できるか
  • 運営会社やプライバシー対策を信頼できるか

そして、VPNとセキュリティソフトは、似ているようで役割が異なります。

VPNを導入したからといって、ウイルス対策やソフトウェアの更新が不要になるわけではありません。

個人向けVPNは、必ず導入しなければならないものではなく、自分の利用環境に合わせて選ぶセキュリティ対策の一つです。

有料VPNの導入を検討している場合には、SurfsharkやNordVPNなど、サービスごとの特徴や契約条件を比較し、自分に合ったものを選ぶとよいでしょう。

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