3Dゲームで使われるライト(ライティング)とは?
3Dゲームで使われる、CG技術の中で、ポリゴン、テクスチャときて、必須の要素として、今回はライトを取り上げます。
3D上で扱われるライト(ライティング)は、そのまま現実世界でいうと光(光源)のことと同じです。
私たちが物体を目にするために、太陽の光、室内の電灯の光、持って歩く懐中電灯の光など照らしている場所が見るために必要な光のことです。
3D上では、CGのお話で環境光、平行光源、点光源、スポットライト、面光源と、呼ばれるものがあります。(写真家などの方も、ライティングの話でこれらの用語を使う場合があります。)
ゲームの世界であれば、3DCGを表現するツールはたくさんあり、ツールによっては、ライトの表現の仕方の差があります。(例えば面光源がないものもあります。)
3Dシーン内に球体モデル(黄)と円錐モデル(緑)と立方体モデル(赤)を置いたものを用意しました。
環境光
環境光とは全体の明るさを制御する光です。
明るい部分、暗い部分に関係なく明るさを上げる光です。
現実の光は何度も反射を繰り返してその物体の後ろにまわったりします。なので、完全な真っ黒にはなりません。この状態を反射の繰り返しを省き、疑似的に作り出すために、使われるのが環境光です。
環境光は、基本的に他のライトと組み合わせて使うことが多いです。環境光だけの場合、画面の奥行き感がない状態になります。(図を参照)
また、環境光以外のライトは、完全に光の当たらない部分が存在する形になります。なので、最低でも2個のライトは必要になります。(ライトなしという技法もありますがそれはまた今度)
平行光源
平行光源とは指定した方向から無限距離(実際には無限ではないが、ほぼ無限距離)に光を照らす光源です。
一定の方向から常に当たるため、環境光、もしくはほかのライトと組み合わせないと完全に光の当たらない部分が存在する形になります。
点光源
点光源とは、1点から光が『球状』に広がる光、距離判定があって、一定の距離までしか明るくならない。
豆電球とか蛍の光のイメージしてください。
こちらも同じく 環境光、もしくはほかのライトと組み合わせないと完全に光の当たらない部分が存在する形になります。
スポットライト
スポットライトとは1点から光を円錐の先から広げていく光、懐中電灯の光をイメージしてください。
こちらも距離の判定があり、一定の距離までしか明るくなりません。
環境光、もしくはほかのライトと組み合わせないと完全に光の当たらない部分が存在する形になります。
面光源
面光源とは、矩形の形で光を発する。点光源が四角い物体になって、その物体が光っているという感じです。
こちらは、3Dツールによってはなかったりもします。
オフィスの蛍光灯をイメージしてください。
環境光、もしくはほかのライトと組み合わせないと完全に光の当たらない部分が存在する形になります。
※画像がいいの見つからなくて、すみません。
ライト(ライティング)は、3Dの世界にも欠かせないもの
現実世界でもそうですが、光というのはものを認識するためには必要なものです。
また、この光が現実世界を剥離していればいるほど、見慣れた現実世界との差が浮き彫りになるため、違和感を感じやすいです。
ライトの品質が重要というのが良く分かったと思います。
恐怖演出
光の使い方によっては、演出を強る効果があります。
例えば、お化け屋敷の場合、暗いままでは何も見えないため、恐怖を感じません。懐中電灯の光をつけながら歩くことにより、その一部分の光に注目し、注意しながら進んでいくことにより、光の先にあるものが認識できる状態になり、その一部の変化を注意深くなりますが、その他の部分が見えないため、不安を感じる形となり、恐怖体験をすることができます。
ライトの使い方で現実世界に
ライトをうまく配置して、実写に近い状態にもすることができます。
現実の光は反射を物凄い回数繰り返すので、CGでそれを再現しようとすると、その計算を省き、それっぽいものまでしか再現はできませんが、それでも最近の映画やゲームではリアリティのあるものが作成できています。
そこには、現実世界での光の映し出し方などを研究し、CGならではのライト配置をして、それっぽさを出すことができます。
最近では、さらに、進化してPCのスペックを生かし、計算が複雑だったものも大分できるようになりました。そのおかげで、見栄えが現実世界と区別がつかないものが多く出てきています。(映画でCGを使っていないものがほぼ見かけなくなりました。)
ただし、処理負荷は大きい
映画では、最後に絵としてレンダリング(データを書きだす)するため、ライト本数を気にしませんが、ゲームの世界では、ライトの個数を制限されます。(リアルタイムで計算しないとゲームとしては遊べない)
ライトは、1個追加するだけでも、かなりの負荷が上がるため、よく私はプログラマー、デザイナーと3人でよく話しました。
負荷軽減をするために、何個までライトにするのかとか、ライト1個削っていいですか?などなど。
負荷軽減を簡単にできる要素でもありますが、削りすぎることによって品質の下がり方も目が見張るものもありますので、注意したほうがよいです。
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